後悔しないためのIoT機器導入!失敗しないコンセント計画のポイント

家づくり

IoT(Internet of Things)機器を後から家に導入する際、多くの人が見落としがちなのが電源確保の問題です。今までの家づくりでは、どの位置に家電を置く可能性があるかを中心としたコンセント計画となっていました。ところが最近は、アマゾンエコーやグーグルネストハブ、スイッチボットの登場により、人間以外が操作をすることで、より快適な家づくりが可能となってきました。その際にスマート家電やIoTデバイスの多くは電力を必要とするため、コンセントの計画が不十分だと使い勝手が悪くなったり、新たに配線工事が必要になったりします。この記事では、IoT機器を後付けする際に考慮すべき「コンセント計画」について解説します。

1. 電源の種類

IoTデバイスにはさまざまなタイプがあり、電力供給の方法も異なります。以下は、代表的なIoT機器とその電源のタイプです。

(1) 常時電源が必要な機器

  • スマートホームハブ(例:Amazon Echo、Google Nest Hub、Switch Bot)
  • スマートカメラ監視カメラ
  • スマートロック(バッテリータイプも有り)
  • スマートテレビ
  • スマートエアコンや暖房機器
  • その他空調機器(サーキュレーター、空気清浄機加湿器
  • ロボット掃除機

これらは常に電源に接続されている必要があり、コンセントの位置や数が非常に重要になります。

(2) 充電式IoT機器(通常家電含む)

  • 各種デバイス機器(スマホ、タブレット、ゲーム機器等)
  • スマートホームセンサー
  • ハンディ掃除機
  • スマートドアベル

これらの機器は充電式であることが多く、定期的に電源に接続する必要があります。充電の際、コンセントが使いやすい場所にないと不便です。

2. IoT機器後付け時のコンセント計画の重要性

(1) コンセントの配置がIoT機器の利便性や見た目を左右する

IoT機器最大の特徴は無線にて操作できる点です。IoT機器を設置する場所に近いコンセントがないと、延長コードを使わざるを得なくなり、見た目が悪くなったり、安全性が低下する可能性があります。例えば、スマートカメラやスマート照明は、天井や高い場所に設置することが多いため、そこに近いコンセントがないと不便です。事前に、どこにデバイスを置くのかを検討し、必要に応じてコンセントの追加を考えることが重要です。

(2) 後付けIoT機器のためのコンセント数の確保

IoT機器は家中に増えていく傾向があります。今後の拡張を考え、1か所に複数のコンセントを設置するUSBポート付きのコンセントを活用することで、さまざまな機器を効率的に接続できるように計画することがポイントです。

(3) エネルギー効率と安全性を考慮

IoT機器が増えると、コンセントに接続するデバイスが増加し、過負荷になるリスクも考えられます。電源タップや延長コードにたくさんのデバイスを接続すると、火災の危険も高まります。特に、電力を大量に消費する家電やスマート家電を接続する場合は、電気容量にも注意が必要です。電気工事士に相談し、コンセントの増設や分電盤の確認を行うと良いでしょう。

3. 具体的なコンセント計画の方法

設置場所を意識したコンセント計画

IoT機器を効果的に導入するためには、設置場所に応じてコンセントの配置を計画することが重要です。ここでは、家電ごとにどのようにコンセント計画を考えるべきか、具体的に解説していきます。


スマートテレビ
  • 推奨コンセント数:4口以上
  • 設置場所のポイント: テレビ周りは一般的に多くの家電が集まる場所です。スマートテレビの背面には、テレビ以外にもBlu-rayプレーヤーやゲーム機、サウンドバー、ストリーミングデバイスなどが接続されることが多いため、複数のコンセントが必要です。また、見栄えを考えるなら、壁掛けにする場合は壁の裏に隠せる位置にコンセントを設置すると良いでしょう。
  • 注意点: コンセントが足りない場合に電源タップを使用することがありますが、負荷がかかりすぎないよう、容量を確認し、電力を大量に消費する機器は専用コンセントを使用するのがおすすめです。

スマートカメラ
  • 推奨コンセント数: 1口
  • 設置場所のポイント: スマートカメラは防犯や見守り用途で使用されることが多く、玄関やリビング、廊下などの高い位置に設置されることが一般的です。このような高い位置にあるため、設置場所の近くにコンセントがないと、ケーブルが壁に沿って露出してしまい、見栄えが悪くなります。できるだけコンセントをカメラの近くに配置し、コードの露出を最小限に抑えることが大切です。
  • 注意点: 外部にカメラを設置する場合は、防水タイプのコンセントが必要です。また、天井付近のコンセント設置が難しい場合は、配線を壁内に通して見えないようにすることも検討しましょう。

スマートスピーカー(例:Amazon Echo、Google Nest Hub)
  • 推奨コンセント数: 1口
  • 設置場所のポイント: スマートスピーカーは、音楽の再生や家電の操作、情報検索など、日常的に使用されることが多いため、リビングやキッチン、ベッドルームなどの生活の中心となる場所に設置するのが理想的です。設置場所によっては、見栄えを考えてスピーカーの後ろや家具の裏にコンセントを配置するのも良いでしょう。
  • 注意点: スマートスピーカーは頻繁に使うため、アクセスしやすい場所にコンセントを設置することが重要です。

スマートロック
  • 推奨コンセント数: 1口(ハブが必要な場合、ハブが不要な場合はコンセント必要なし)
  • 設置場所のポイント: スマートロックは玄関ドアに設置されますが、多くのスマートロックは電池駆動式や電源供給式であるため、基本的には電源の心配はありません。ただし、一部のモデルは外部から操作するためのハブが別途必要となるため、玄関近くにコンセントがあると便利です。

ロボット掃除機
  • 推奨コンセント数: 1口
  • 設置場所のポイント: ロボット掃除機は充電ステーションに自動で戻る設計のため、リビングや廊下の片隅に充電スペースを確保する必要があります。充電ステーションが邪魔にならないように、壁際にあるコンセントを使用し、できるだけ目立たない場所に設置することが理想的です。また、床に近い位置にあるコンセントが便利です。階段の一段目の下に充電ステーション用のスペースを設ける等、自然に隠しコンセントを設けると見た目的にグッド。
  • 注意点: あまり狭い空間にするとセンサの誤作動によりなかなか充電ステーションに戻れなくなることも。

スマートエアコン
  • 推奨コンセント数: 1口(専用回路が必要)
  • 設置場所のポイント: スマートエアコンは通常、壁に取り付けられるため、その近くに専用のコンセントを設ける必要があります。エアコンは大量の電力を消費するため、専用回路(200V)が推奨されます。また、エアコンがスマートホームシステムに接続される場合、Wi-Fi環境を整えたり、インターネット接続が安定しているエリアに設置することも大切です。最近は天井にコンセントを設置する例も多くあります。
  • 注意点: コンセントが見えないようにエアコンの背面に配置する場合もありますが、修理や点検の際にアクセスできる位置にあるか確認しておくことが必要です。

スマートハブ(超重要)
  • 推奨コンセント数: 1口
  • 設置場所のポイント
    ネットワーク機器の近く: スマートハブはインターネット接続が必要なため、Wi-Fiルーターやモデムに近い場所にコンセントを確保しましょう。ネットワークが不安定だと、スマートハブが正常に動作しない可能性があるため、安定したWi-Fi接続ができるエリアを選ぶことが重要です。
    リビングや中央の部屋: スマートハブは家中のデバイスと接続するため、できるだけ家の中央に位置させるのが理想です。リビングや廊下など、IoTデバイスの多い場所に設置すると効率的です。また、SwitchBotのように赤外線にて機器を操作することができるタイプは、リモコンにて操作できる位置でなければなりません。その点を考慮し障害物がない周囲を見渡せる位置に設置しましょう。

デバイス機器
  • 推奨コンセント数: 4口以上(USBポート)
  • 設置場所のポイント: 各種デバイス(スマホ、タブレット等)の充電ステーションとなります。USBポートに事前に変更しておくことで、変換アダプタが不要となるメリットがあります。
  • 注意点: USBポートの形状タイプを事前に把握しておきましょう。

その他充電機器
  • 推奨コンセント数: 4口以上
  • 設置場所のポイント: 充電時は基本的に収納されるものが多いと思います。例えばコードレス掃除機は良い例で、使用しないときは基本的に収納スペースに格納し、普段目に届かないようにしたいものです。そのようなケースを考慮し、収納扉内に複数のコンセントを確保しておくと視界に入るコンセント周辺が充電グッズで渋滞するなんてことがなくなります。
  • 注意点: 暑くなりすぎる空間はあまり望ましくないかと思われます。ただ、そこまで気にしなくても問題はないと思います。

まとめ

IoT機器を後付けする際のコンセント計画は、スマートホームの快適さや安全性に大きな影響を与えます。IoTデバイスが増えるほど、家中の電源供給の効率や安全性が重要になるため、コンセントの配置や数に十分な計画を立てることが不可欠です。今後の拡張やデバイスの増加を見越して、適切な電源環境を整えておけば、より便利でスマートな暮らしが実現できるでしょう。

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